「FPにこそ必要な力!相談者の本音を引き出すコーチング力を高めよう」

「FPにこそ必要な力!相談者の本音を引き出すコーチング力を高めよう」

  私たちFPは、相談者に寄り添い、本音を引き出し、その方の望む将来のお手伝いをする場面が多くあると思います。

  より質の高いサービスを提供するためには、コーチング技法を用いた相談業務を行うことが、
効果的かつ生産性の高い結果を出すための近道であると感じます。

  そこで今回は「相談者の本音を引き出すコーチング力」についてお話したいと思います。

  【執筆者】
FP事務所Mproject 代表 寺澤真奈美
通信費見直しアドバイザー、米国Gallup認定ストレングスコーチ®
コーチングプレイス認定コーチ

  生保・損保勤務を経て2017年より独立系FPとして、オンライン相談を中心に活動。
特に携帯スマホ・格安SIM等の通信費見直しを強みとしており、500件の通信費見直し実績、MVNO通信業者とのタイアップ企画の実績あり。
個人や企業従業員向けFP相談のほかに、セミナー講師、コラム執筆も手掛ける。
家計の見直し、格安SIM、資産運用などの情報を誰にでもわかりやすく伝えることが強み。

  自身の資産形成の体験談を基にした『子どもを2人育てながら1億円貯めた夫婦の40代FIREまでの道のり』https://amzn.to/3uuo5Tx

  格安SIM・通信費見直し×誰でも効果がでる家計見直しが強みのファイナンシャルプランナー寺澤真奈美公式HP:https://manami-terasawa.com/

 

コーチングとは

コーチングという言葉を聞いたことがある方は多くいらっしゃると思います。

アメリカのファッションブランド、コーチ(COACH)のロゴマークを思い浮かべてください。

馬車です。馬車が人や物を目的地へ運ぶことから次第に「コーチ」という言葉が、「大事な人や物を目的地に運ぶ」といった意味をもつようになりました。

  つまり、コーチングとは、「大切な人が希望の場所にたどり着き、自己実現や目標達成できるようにサポートする」という意味が込められています。

  ひとことで言うと「目標達成のための自発的な行動を促すコミュニケーション技法」です。

 

FPとコーチング

人と接することがないFPはいません。
相談者が抱えている課題・問題、描いている夢や希望、大切にしたい価値観や思考などをしっかりと聞き出すには、信頼関係を築くための高いコミュニケーション能力が必要不可欠となります。

  私自身も過去に経験がありますが、相談者が積極的に話したくない内容にこそ、大きな課題が潜んでいることもあります。
信頼関係が築けていれば、相談者が解決したい問題を早い段階で引き出すことができ、目標達成への道筋を提案することが可能です。

  コーチングでは、
「インタラクティブ(双方向)」
「オンゴーイング(現在進行形)」
「テーラーメイド(個別対応)」
という3原則が大切です。

  この原則は、相談業務で実践されていることに通じる部分であると思います。

  まず、信頼関係構築のためには、相手を尊重(承認)しながら話を聞き出す「傾聴力」、安心して話せる「場作り」、双方向の「対話」がもっとも重要です。

そして、成果を出すために継続的にかかわり続けることや、気づきや行動を促すための効果的な質問力も欠かせません。

相談者の価値観や思考パターンや成長スピードは、ひとりひとり異なるため、個別にフォローする必要があります。

必要に応じて、フィードバックや提案をしていきます。

 

コーチの役割とは

人は日常、何気なく生きている状態では、思考の枠から外れることもなければ、新しい気づきや価値観を得ることもありません。

そこでコーチは、相手が気づかないような新たな気づきや視点を増やすこと、考え方や行動の選択肢を増やすこと、相談者の目標達成に必要な行動を促進することなどを提供します。そこに大きな価値があるのです。

  さらにFPとして、税制や法律制度の改正、新しい金融商品知識などにアンテナを張っていれば、情報提供や状況に応じた適切な提案(アドバイス)をすることもできます。

  また、安心安全な場でリラックスして話せる雰囲気作りも大切です。

「うなずき」「あいづち」はもちろんのこと、言葉だけではなく、表情、態度、声のトーンなどの非言語情報をじっくり観察して、そのときの状況や相談者の感情に寄り添った対応が大切です。

  相談者との強固なパートナーシップを築くためには、信頼関係が欠かせません。
すべては信頼ベースで成り立っているということを常に念頭に置き、コーチング技法でより深い人間関係を構築すると良いでしょう。

 

コーチングの学び方

それではどのようにしてコーチングを学べばよいのか?についてですが、ただコーチング資格を取れば良いというものではありません。
座学と実践は全く別物である、というのがコーチングを学んだ私の感想です。

  コーチング勉強方法は、「コーチングスクール×実践」と「コーチング関連本×実践」です。

どちらを選択しても「知識×経験」の積み上げによりスキルアップが図れます。

スクールに通う場合は、費用と時間の捻出が必要になるので、費用対効果とコーチングを学ぶゴール設定が必要になります。

  コーチングスクール費用は10万円から100万円以上かかるものもざらにありますし、何十時間も通う講座も多々あります。
スクールに通うメリットは同じ志を持つ仲間の存在が大きいと思いますので、それを重視したい場合は非常に価値があるものだと思います。

  今回は入門編として、私おすすめのコーチング本をご紹介します。

  「ザ・コーチ 最高の自分に気づく本」谷口貴彦


  「新 コーチングが人を活かす」鈴木義幸


 

私たちFPができること

私たちFPは様々な情報収集しており、それを相談者のために余すことなく提供したいと思っています。

しかし、そのような強い想いがある一方で、顧客の望む答えは、その方自身の中にあることを忘れてはなりません。

顧客に寄り添い、その方が行きたい未来への伴走者となることが、FPの仕事であると感じます。