「そもそも日本人はサービスは無料であるというのが常識だから相談料やアドバイス料を払う風土ではない。」と言われ、有料のアドバイザリービジネスは日本には根付かないとよく言われました。
いまだにそのような考えを持つ人も多いようですが、それは本当なのでしょうか?
本当に日本人は相談やサービスにはお金を支払わないのでしょうか?
答えは「ノー」です。
実際に10年以上毎年アドバイザリーフィーを支払っていただいているクライアントが多くいます。では、その方々は何に対して支払っているのでしょうか?どこに価値を見いだしているのでしょうか?
私は半年に一度の状況確認ミーティングで必ず質問します。
「このサービスを受けていかがですか?」
すると答えが見えてきます。
- いままでぼんやりしていた資産や家計の収支が見える化できた(=整理整頓代)
- 負担だった保険料が減らせて家計が楽になった(=節約代)
- 何をすれば良いか明確になった(=アイデア代)
- いつも半年ごとに声を掛けてくれて状況を確認してくれるから安心です(=見守り費用)
- お金のことはプロに任せて普段は気にせずに放っておいても安心(=アウトソース費用)
- 作ってくれたプラン通りに進んでいるのが確認できるのがとても安心。(=プラン管理費)
- 怪しい商品を勧められたときに第三者の立場から意見をもらえるので安心(=警備代)
- 投資信託や保険など手数料が安くて質の良いものの見つけ方を教えてくれる(=目利き代)
- 今まで知らなかった、円高円安の意味がよくわかるようになった(=勉強代)
- 調べたり考えたりする時間が節約できる。(=時間をお金で買う)
- いい不動産屋さんを紹介してくれた(=専門家紹介料)
- 今回の新型コロナウィルスの持続化給付金や特別融資などの種類や手続きを教えてくれて助かった(=情報提供料)
- しっかり資産が作れている。(=経済的効果)
このようなフィードバックを受けています。
クライアントによってまちまちなところはありますが、大方このような価値を感じていて、かつ、金額が納得できる水準であれば支払うのです。
どんなサービスでも価値があると思えばお金を払うものです。
皆さんも同じではないでしょうか?
人気の占い師にも払いますし、評判の良いエアコン掃除や、出前代行、観光地案内などにも。
一方で初めてお会いするクライアントにはこんな質問を受けることがあります。 「年間30万円支払うのだから、1年後に30万円以上の資産が増えないと意味がないですよね?」 皆さんならどのように答えますか?
このような質問をする方は、「経済的効果」を期待してフィーを支払いますと言っているわけですが、私たちファイナンシャルプランナーは単なる「投資アドバイザー」ではないので、投資の結果の良し悪しや資産の極大化をお手伝いすることを目的にしている訳ではないということをクライアントと共有します。
もっと言えば、もうリタイア後のクライアントで、お金を上手に取崩しながら最後まで夫婦仲よく楽しみたいというケースの場合、資産はだんだんと減っていくのは当然です。楽しいセカンドライフを過ごすことがライフプランのゴールであるわけです。
私たちファイナンシャルプランナーの役割をクライアントが理解をすれば、資産が増えずともフィーを支払います。
長年の経験から私が実感している最初の質問に対する答えは
【しっかり将来ゴールを共有しそのゴールの実現に向けてベストを尽くしてお手伝いするという、ファイナンシャルプランニングの本来の目的を果たすことにより、クライアントは安心して生活することができる】
です。クライアントはその信頼と安心感に対してフィーを支払うのではないのでしょうか。
胸を張ってフィーをご案内していきましょう。
フィーを支払って相談する人が増えれば増えるほど、世の中の相場観が変わってきます。
有料FPの相場観やマーケットは私たちが創造していくものなのです。
【執筆者】
株式会社SMILELIFE project
代表取締役
藤原未来