あなたはどんなFPを目指したいですか?

あなたはどんなFPを目指したいですか?

日本FPアドバイザーズ協会に参加すると、様々なスタイルのFPがいます。 それぞれのFPが様々な経歴、経験を経て、自分流のスタイルを確立されたものと思います。   私は保険会社を経て独立したものの、ビジネススタイルを決めるまで1年間かかりました。 しかし、人生の棚卸をすることで軸(志)が見つかり、自分の目指すFPスタイルが確立できました。 今回は、それまでの経緯と軸(志)の見つけ方をご紹介したいと思います。   〈執筆者〉洲濵 佳世子 AFP認定者 ロングステイ財団 登録ロングステイアドバイザー 株式会社SMILELIFE project 所属 ライフブック®アドバイザー  

FPとしてのキャリアスタートと転機

私は2009年にFPとしてのキャリアをスタートしました。 それまで結婚・出産・子育て・離婚、そして様々な職業を経験し、人生の岐路に立ったちょうどその頃、41歳となっていた私はこれを最後の転職にしようと決めてこの世界に飛び込みました。   保険会社では入社と同時に6分野の基礎をしっかりと叩き込まれ、厳しいトレーニングにも耐え、実務ではたくさんの苦労も経験しました。 私がこの業界に入ったタイミングはリーマンショックの直後で、クライアントの多くが資産運用で大きな損失が出ている状況でした。 それまで金融機関で働いたことのない私に一体どんなアドバイスができるでしょう。 トレーニングで積んだ浅い知識とこれまで培ってきた持ち前のコミュニケーションスキルを活かしながら乗り切る、そんな毎日でした。   仕事に慣れてきた頃から商品提案の場面になるといつも悩んでいました。   ライフプランニングには納得感があるのに、商品提案は自社の限られた商品しかないために必ずしもお客さまに合った提案ができないのです。 その頃から商品を売るためのロジックを考えなければいけないことに矛盾を感じ、メンタル的にも辛くなった頃、このままでは本来のFPとしての仕事ができないとの思いから退職しました。   そして、独立系FPとして独立しました。 しかし、自分の心が健全でなく、迷いがあり、ビジネススタイルを決めるまでに一年かかりました。      

ブレない心の軸(志)を作のつくり方  

まずは人脈作りと思い、異業種交流会などに参加して自己PRをしながら独立の一歩を踏み出しましたが、目指したい方向が定まらず迷走する中で、あるきっかけから人生の棚卸しをする機会に恵まれました。 まずはこれまで経験したいくつもの業種・職種を若い頃から順に書き出し、振り返ってみた時にある共通点があったことに気がつきました。 それは「お役に立ちたい」・「喜んでもらいたい」いつもそんな思いで仕事をしてきたこと。それまで客観的に自分を見つめたことがなく、どちらかというと常に変化を求めてもっと変わりたいという思いがあったので「これでいいんだ、このままでいいんだ」と自己承認ができたことで、それまでの迷いが嘘のように晴れ、すっきりした気持ちになれました。 そして「困っている人のお役に立つ事」というブレない心の軸(志)ができて自分に自信が持てるようになり、リスタートしました。 いろいろ悩むこともありましたが、ブレない心の軸を作れたことでまた一つ乗り越えたような気がします。    

軸(志)が出来てからの私のFPビジネスの変化・成果 

  軸(志)が明確になったことで取り組み方が変わっていきました。 まず、自分の気の進まない誘いは無理せず断る。こんな些細な事から始めたことで、自分が信頼できる人、そうでない人が明確になり、有益な時間を使おうと意識が変わっていきました。 軸(志)ができると表情も穏やかになり、クライアントに安心していただけるようになったのではないかと思いますが、徐々に仕事で良い成果が出始め、次々と結果が出るようになりました。 かつて私のことをお節介とからかっていた友人からも頼られる存在になれたことは大きな自信となっています。 軸(志)をもって応対してきたことで、物事がスムーズに成就してきたように思います。 また、これまで周囲の方々に支えられて今もこの仕事が続けられているのだなと思います。 私はこれまで何度かフィールドを変えていますが、ずっと担当させていただいているクライアントが何世帯もあります。 FPとしてクライアントを支えることに喜びを感じていましたが、一方でクライアントからも支えていただいているのだということを実感し、これからも私がさせていただける事は全力で尽くしていかなければと思っています。  

現在の取り組み

2019年1月にこの日本FPアドバイザーズ協会主催のセミナーに参加した際に講師だった現在の主人と出会い、クライアントの不動産の相談にのってもらったことがきっかけで2020年5月に入籍をしました。 主人はFP資格を有する不動産鑑定士で、そのほかにも事業を展開しています。   現在は、クライアントからの紹介や双方のクライアントの相談に二人で対応することもあります。 「困っている人のお役に立つ事」を軸(志)にコンサルフィービジネスを行い、充実した毎日を過ごしています。     ご自身の軸(志)が何なのか、まだ明確でない方は一度じっくりとご自身に問いかけてみられると、新たなステージに行けるかもしれません。