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日本FPアドバイザーズ協会
地方で独立系FPとして、仕事をするということ
「佐賀県は、下から2番目。」これは、都道府県魅力度ランキングの結果のことではありません。
「金融リテラシー調査2019」で佐賀県の正誤問題の正答率が全国2番目に低かった結果のことです。
私が、金融リテラシー調査のことを知ったのは、3年前の金融広報アドバイザーの協議会に参加した時のことでした。
なぜ、佐賀県民の金融リテラシーが低いのか、地方で活動するFPとしてなにができるのか、
今回は、FPが地方で活動する役割と合わせて考えてみたいと思います。
佐賀FPオフィス 代表 廣重 啓二郎
AFP認定者 一般社団法人相続支援士会 理事
佐賀県金融広報アドバイザー
保険会社、保険代理店を経て、現在、佐賀県を拠点にFPとして老後資金の改善のために活動。
また、高校や大学で金融教育のためのレクチャーや行政と連携して自然災害で被災された方の支援活動も行う。
なぜ、FPとして独立しようと思ったのか
私が、FPの資格試験を受けたのは、今から10年程前のことです。
FP資格試験を受けた理由は、当時勤務していた保険代理店の手数料収入の為でした。
代理店の手数料収入は、保険会社に課されたポイントを獲得することで次年度の収入が決まりました。
そのポイントの一つにFPの資格試験を取得することがありました。
当時、私は、中途入社した保険会社を経て、保険代理店に勤務していました。
代理店での仕事内容は、代理店経営(数字)の管理と営業を兼務していました。
内勤での仕事が大半であったため、たまに、営業に出ると息抜きができ、
特に、新商品の保険の説明においては、お客様に商品をわかりやすく伝えることにやりがいを感じていました。
ところが、2014年に参加した日本FPアドバイザーズ協会(当時は、首都圏FP技能士会)のネクスティアンカンファレンスに参加して、考えが一変しました。
それまでの私は、FPの資格は、保険を販売するための肩書の一つとしてとらえ、本来持つFPの役割を全く理解していませんでした。
その後、前述しました日本FPアドバイザーズ協会のネクスティアンカンファレンスに参加して、FPの本来の役割を真剣に考えるようになりました。
地方で独立系FPとして活動していくこととは
私がFPとして、独立して5年がたちますが、いまだにFPと名乗ると「保険屋さん」というイメージは大きいと感じます。
CMの影響もあるかと思いますが、特に、地方でのFPは、金融機関や代理店の方が圧倒的に多いことがFPとしてのイメージを定着させている要因かもしれません。
私自身も保険業界にいましたので保険の必要性は十分わかっているつもりです。
しかし、問題なのは、保険商品の中身を十分理解せず加入している方が多いと感じることです。
特に、資産運用の選択に保険を活用しているケースです。外貨建てや変額保険のコストについて理解せずに加入していることがあります。
将来、資産形成に大きな影響を与えてしまうかもしれません。
独立系FPの役割は、資産形成において、保険以外の選択肢を案内して、その後の相談してくださる方の人生に寄り添っていくことだと思います。
大学生向けのライフプランセミナーで感じた今後のFPの役割
先月、大学生向けにライフプランセミナーに登壇しました。
私は、これまで社会人向けのセミナーには登壇したことはあったのですが、大学生向けのライフプランセミナーは今回、初めてでした。
今回の大学生向けのセミナーでは、私が大学生時代に私自身が聞いておきたかった内容を盛り込みました。
アンケート結果で、私が強く心に残ったのは、「どれだけ自分が漠然として生きていこうとしていたか気づけた」という声を頂いたことでした。
もし、私のセミナーにより、人生について考える機会を得ていただけたのなら、非常にうれしく感じました。
また、私自身もFPの役割について、改めて考える機会を得ることができ有難く思いました。
これから、地方で独立系FPとして成長していくには
私が、独立して半年程、経ったころ、メールでのお問い合わせがありました。
私が、唯一持っていました集客用のFP紹介サイトを見てご連絡を頂きました。
お客様とお会いした時のお客様の第一声は、今でも忘れられません。「あなたのようなFPを探していました」というお声でした。
地方でも、本当に信頼されるFPを探している方がいることを確信しました。その後、何名かのご紹介を頂くことができました。
まだ、発展途上の段階ですが、金融機関側ではない第三者の立場として、地域で唯一のポジョションが取れることは間違いないと思います。
今後、地方で独立系FPが活動していくためには、地域の金融教育に寄与することに加え、しっかりとしたビジネスモデルが必要なことは言うまでもありません。
現状、ほとんどの方が、本来のFPサービスを受ける機会は、まだまだ少ないと思います。
しかし、FPがかかわることで相談者に大きな付加価値を提供できると信じています。
そして、FP側も「人はこんなことにお金を支払わないだろう」という思い込みを捨てることが大切だと思います。
FPとして顧客の人生をよりよくするために何ができるか、
例えば、FPサービスを受ける価値とは
・金銭的なメリットを得られる
・精神的な苦痛を取り除くことができる
・安心感を得ることができる
・面倒なことをやらなくて済む
などがあげられると思います。
これからは、オンライン化の動きが加速して、都市と地方の垣根がなくなっていくことが想定されます。
今後、地方でもFPとしての活動が飛躍することを信じています。